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語録 99

 彼(パウロ)は悩み、苦しみ、祈りつつ、示されたのが全人類救済の神の御心の秘密であった。しかし、神は決して人間が納得するようなやり方で、人を救いへとお導きになるのではない。お歩きになる道は不可解であり、神の御心のうちにあることは人間には測りがたい。その無限知、無限愛の神にパウロはお目にかかって、神の前に平伏して、神を神として、この真実な神は、ただ信ずる外ないことを教えていただいたのである。彼は自分も、自分のまわりの事もすべて神にご一任することができたのである。「生きているのは、もはや、わたしではない。キリストが、わたしのうちに生きておられるのである」(ガラテヤ2:20)。こうして、彼はキリストと一つになり、彼の福音もキリストが説かれる言葉と一つになったのである。神の側では、パウロをこのように完成されて、ただ御霊に引き回される器として、御用のためにお用いになることができたのである。(『ローマ人へ』283頁)
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